WHAT IS STEAM?

世界は急速に変化しています。今後どんなことが起きるのか予測しづらくなっています。そんな世の中で求められているのは、 Creative かつ Analytical thinkingができる人材(創造力があり分析的思考を働かせることができる人材)。そのような人材を育むのが STEAM 教育だと言われています。

“STEM”は、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Math)の頭文字を取った造語です。そこにアート(Arts)を加え、”STEAM(スティーム)”と呼ばれるようになりました。

「つまり、理系の人もアートを勉強しなさいってこと?」と思われた方もいるかもしれません。確かに STEAM は理数系分野を重視しています。しかし、その本質は、複数の領域を融合することにより相乗効果を生み出し、学びを活性化させることにあります。アートの視点を取り入れることで、従来の理数系分野の学び方を変えたり、理解を深めたりすることに繋がると考えられています。

STEAMはそれぞれ、具体的に以下のような分野を含みます。

Science

科学とは、私たちがまだ知らない自然世界の仕組みを解き明かすことを指します。この世界には何があるのか、それらはどんな役割を果たしているのかという問いを追求し、理論として確立することを目指します。

例)物理学・生物学・医学・宇宙科学・環境科学・地球科学・薬学

Technology

科学が明らかにした理論を「どう使うか」を考えることが技術領域のテーマです。私たちの生活をより便利にするための技術を開発することを目指しています。理論を変えることは出来ませんが、理論から良いものを生み出すか悪いものを生み出すかは、私たち次第なのです。

例)ロボット・インターネット・バイオテクノロジー・コンピューター・人工知能

Engineering

工学とは、新しい技術を用いて、実際に私たちが使える製品を作り出す分野を指します。製品を設計したり、機械や建造物などを組み立てたりする過程を扱います。

例)宇宙工学・材料工学・電子工学・都市工学・機械工学

Arts

アーツには、絵画のような造形芸術から、文学などのリベラルアーツ(教養)と呼ばれる領域まで含まれています。アーツに明確な定義を当てはめるのは難しいことですが、表現の手段であること、人の心に働きかけるものであることは共通認識と言えるかもしれません。

例)文学・哲学・社会学・絵画・彫刻・音楽・舞台

Math

普段の生活の中では、あまり数学と言われてもピンと来ないかもしれません。しかし、私たちの生活は、科学技術の産物によって成り立っています。それを見えないところで支えているものこそが数学です。

例)幾何学・統計学・計算

STEAMを英語授業に用いる理由

なぜ「STEAMを英語で」学ぶのか?

英語で考え、英語で伝える力が身に付く

従来の日本の英語授業は「英語を」学ぶことに焦点が置かれてきましたが、英単語を記憶し、文法問題を解いているだけでは英語はできるようになりません。近年はスピーキングを重視したアプトプット中心の授業が展開されています。しかし、十分なインプットがなければ、中身のあるアウトプットは難しいというジレンマを抱えているのが現状です。

グローバルな世界で通用する英語力を習得するためには「英語で」学ぶという視点は外せません。そこで STEAM コンテンツの事象を使うのです。目の前で起こっている事象について、見た通りに英単語を並べてみる。それを基本構文に当てはめて文章を作ってみる。自分の仮説や考察を基本構文に当てはめて言ってみる。この一連の動作を繰り返すことが、使える英語力に繋がります。

なぜ自然科学系(STEAM分野)なのか?

論理的に考え発言する力が身に付く

日本の英語授業では、STEAM分野、特に自然科学系の題材を扱う機会が少ないように感じています。自然科学分野ほど、英語の基本構文を理解し、使いこなせるようになるための訓練として適切な分野はありません。自然科学分野の英語は簡潔かつ明確です。目の前で起きている事象を観察し、考察し、事実を客観的かつ論理的に伝えるものだからです。

これは、理工系専攻者だけでなく、すべての英語学習者に有用です。このように論理的に考えながら英語の組み立て方を習得することは、日本語にも良い影響を与えます。結果として、社会で十分に通用するコミュニケーション力を得ることにつながります。だからこそ、低学年からSTEAM分野に触れる機会を増やし、その英語力の土台を培うことが重要だと考えます。

STEAM ✕ ENGLISH 3つのいいこと

①視野を広げてくれる

アクセスできる情報量が格段にUPします。ある調査によれば、理系分野の論文は3/4以上が英語で書かれています(分野によっては90%以上)。また、ウェブサイトは日本語で書かれたものが約2%なのに対し、英語で書かれたものは約60%を占めるそうです。英語力があれば自分で情報を獲得できるので、自分で考え判断する範囲が広がります。

さらに、英語を介して海外の人たちと直接コミュニケーションを取れるようになると、新しい価値観に出会います。自分が当然と思っていたことが通用しなかったり、逆に相手には新鮮に受けとめられることもあります。議論もできるようになり、視野が広がり、人生が豊かになっていきます。

②希少人材になれる

特に理工系・技術系の日本人は、英語に苦手意識を持っていることが多い傾向があります。そのため、英語力があれば一気に有望な人材として頼られ、仕事の幅が広がることが期待されます。STEAM分野から学ぶ英語は、明確で簡潔なため、使い勝手がよく、大きな武器になります。

③中身のある話ができるようになる

英語で日常会話が多少できたとしても、中身のない話には誰も耳を傾けてはくれません。英語という強みだけでは、ネイティブスピーカーや帰国子女には勝てません。だからこそ、英語×○○の強みを持っておく必要があります。STEAMのいずれかの専門分野を持っていれば、それが大きな武器になります。英語は武器を強化するための一種の効果です。専門知識や自身の考えを基本的な英語にして話すだけで、直接話をすることができる対象がぐっと広がります。

STEAM ENGLISH Lab. が提供すること

実験や観察を通して英語で学ぶこと

実際に手を動かして、目で見て、考える。ものを作ったり、観察したり、図表を書いたり、本や記事を調べたり、こうした内容を盛り込んだ英語授業を行います。このような作業でこそ目の輝く人も少なくありません。また、1つのトピックを様々な角度から実際に体験し、遊びながら楽しみながら繰り返すことで、実践的な英語力の定着を図ります。

考えながら英語で学ぶこと

STEAM English Lab.の英語授業は、「理科内容の実践」、「言語知識と言語技能の獲得」、「思考力の育成」、「生きる力の育成」という4つの側面を実践します(下図を参照)。単なる英語力の土台作りに留まらず、学習内容の理解と考察にも重点をおいています。これは、アクティブラーニングやCLIL(Content and Language Integrated Learning)の視点に通じるものです。

4つの側面 目標
理科内容の実践 STEAM分野の内容について、身の回りの材料を用いた実験等の体験的活動を行い、知識と実社会における事象を結びつけられるようになる。
言語知識と言語技能の獲得 体験的活動を通じて、STEAM 分野で用いられる英語の語彙や表現を学習し、自らの言葉を用いて 表現できるようになる。
思考力の育成 科学的な理論を学び、即物的に体験した内容の理由付けを考え、それを論理的に説明できるようになる。
協働力の育成 授業内容が社会の中でどのように生かされているのかを知り、日本のみならず他国の活動に興味を持ったり、地球市民として協働する自分の未来を夢見たりできるようになる。